IT資格でネットワーク資格が最も優れていると思う理由。5つ

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別に自分がCCIEを取得したからではありませんが、ネットワーク関係の資格は、IT系資格の中でも取得する事に大変意味があると思います。

特に、IT業界に入ったばかりの方にとって、今後のITキャリアを進むにあたって非常に大きな武器になると考えます。

この記事では、何故私がそう思うかを説明します。ITエンジニアとしての第一歩を踏み出したばかりの新人さんとかに読んでもらえたら嬉しいです。

これは、私がN/W資格以外も多数取得した結論です

先に述べておきますが、私は決してN/Wの資格だけ取得して「N/Wの資格が最高!」と言っている訳ではありません。

これまでに、以下の資格を取得してきました。全てN/Wとは関係ありません。

  • SJCP(Sun Microsystemsの頃のJava資格。今はOracleですね)
  • VCP-DCV(VMWareのデータセンター仮想化技術)
  • TOEIC 940(IT資格でもありませんね)

また、以下の資格はN/W絡みですが、どちらかと言うと仮想化がメインの資格です。

  • VCP-NV
  • VCIX-NV

以上のN/W以外の資格を実際に取得してきた経験からも、やはりN/W資格が一番様々な視点で有利だと考えています。

理由1:N/W資格は他人が評価する時の指標となる

これが、私がN/Wの資格推しな一番の理由。

ネットワークの資格の有名どころは以下の4つです。

  • ネットワークスペシャリスト
  • CCNA
  • CCNP
  • CCIE

ネットワークスペシャリスト以外はシスコ社のベンダー資格ですが、この上記4つのいずれでも、ネットワーク知識を評価する為の指標になります。

「そんなの、資格だったら全部指標になるでしょ?」と思われるかもしれません。でもネットワーク資格ほど、そのIT「分野」の知識の深さを証明できる分野って他にないと思うんです。

例えば、Serverの分野での資格で有名なのはMSが出している資格や、LinuxのLPICとかですよね。あとは、RHCEとかのRed Hatの認定資格でしょうか。確かにこれらを保持している事は、そのOSの知識を持っている事の証明にはなります。でも、例えばLPICを持っているからと言って、MSのWindowsの知識がある証明にはなりません。

もう一つの例をあげますと、私は上記の通りSJCPというJavaの資格を持っています。でも、それだけだとCやPerlができる証明にはなりません。(誤解のないように言うと、私はそれなりにC/Objective-C/Perlなどもできます。でもSJCP持ってるって言うだけだとその証明にはならないということを言いたいんです)

上記のネットワークの4つの資格であれば、とりあえずネットワークというIT分野について、どれだけの知識を保持しているかの指標となります。なので、転職等の第3者が評価するシーンにおいても定量的に評価しやすいと考えられます。

ちなみに、私がこの数ヶ月で感じた事ですが、やっぱりCCIEは特に評価が高いです。CCIEを持っていると、とりあえずネットワーク業界であれば殆どの場合、どこでもそれなりに評価されるのでは、と感じています。

理由2:勉強する為に必要な教材が充実している

IT系の勉強をする時に、一番困るのが、勉強をする為の教材が少ない場合です。

ITの技術は日進月歩で進んでいます。なので、新しいテクノロジーを勉強する時に、勉強する方法が限られるケースが多々あります。場合によっては最新技術の開発ベンダーが公表しているドキュメントしかないって場合もあります。

また、ITの技術は殆どの場合USで開発される事が多いのは周知の事実でしょう。なので、殆どの場合英語のドキュメントからスタートして、時間が経つと英語から他言語に翻訳される流れとなります。日本語が母国語の日本人には辛いところですね。

ネットワークのコアな部分は数十年間変わっていません。なので、日本語での有用なドキュメントや動画が既に多数公開されています。10年前の資料でも、現在で十分通用する物も沢山あります。

理由3:一度勉強したら、長い間バリューを出すことが出来る

上で少し書きましたが、ネットワークの技術の本質は、数十年変わっていません。むしろ、本質的な部分は特定のテクノロジーに収束して行ったと感じています。

具体的には、L2は今までATM/Frame-Relayなどもありましたが、今はEthernetが主流ですよね。WANも広域Ethernetが主流になっています。

L3はIPが主流です。IPなんて、まさに数十年前に生み出されたテクノロジーです。

もちろん、DMVPNとかIPv6とか、ネットワークの分野でも様々なテクノロジーが日々生み出されています。でも、それらは上記のような本質的なテクノロジーの応用にすぎません。DMVPNもIPv6も、結局はIPの応用ですよね。

この本質的な部分は変わらないという特性は、今後もネットワークの分野では変わらないと思います。

私は今までServer/Storage/アプリ開発/ERP/セキュリティなど、資格だけではなく様々なテクノロジー・仕事に携わってきました。多分、深さは置いておいて、ITの軸と言う視点だと殆どの分野に携わっているはずです。

N/W以外の分野を担当していた時は、毎年のようにこれまで学んできた内容が陳腐化して学び直す必要性を感じてきました。

例えば、ServerであればCPU/メモリなどの概念は変わりませんが、OSの流行・バージョンの変化が早いので、ある時はWindows、ある時はUNIX、ある時はLinuxと、自分のエリアをシフトしていく必要がありました。

アプリ開発を例にとると、私が開発していた頃はJavaとXMLを組み合わせたMVCモデルの開発が主流になり始めた頃ですが、今みたいにフレームワークが整備されるところまでは至っていませんでした。勉強を継続して行かないとすぐに浦島太郎状態になってしまいます。

本質的な技術の変化が早い場合、それに追いつく為には非常に労力がかかりますし、サラリーマン個人としては不安を覚える事があります。ある時、自分の今まで評価されていたスコープのバリューがなくなる可能性を意味するので。

長年続いていた年功序列・終身雇用という、日本の素晴らしいカルチャーは、残念ながら崩壊しました。エンジニアはこれからますます技術力で自分のバリューを発揮しないとリスクだけが残る状況に陥る可能性が出てきます。そんなエンジニアの武器となる技術力なので、できれば風化、新テクノロジーによる陳腐化が少ない分野のスキルを持っておく事は損ではないはずです。

ネットワークの勉強は、一度理解すると当分浦島太郎状態にはならない、と言っている訳ではないです。が、少なくとも他のIT分野よりは本質的な部分は今後とも変わらないと考えています。

理由4:ネットワークインフラは、なくならない

正しくは、人間がやるネットワークインフラの仕事はなくならない、と思っています。

何故なら、ネットワークは地理的に距離があるモノ全てを繋ぐインフラそのものだからです。なんらかの機器間で通信させる場合、そこに必ずネットワークが必要です。

必ず存在するという事は、構築作業だけではなく、構築後の保守・運用も必ず必要です。

もちろん、ServerやStorageなども、なくなる事はありません。でも、例えばクラウドみたいな運用方法が今後さらに一般的になっていくと、クラウド事業者側でのサーバー運用が増える一方、企業側のサーバーリソースは減っていくかもしれません。もしかしたら、ユーザー側の拠点ではサーバーはなくなるかもしれません。

でも、ネットワークは必ず存在します。そもそもユーザー側にネットワークがないと、クラウド事業者側のサービスの利用自体ができませんから。

まぁ、これは資格云々の話ではなく、ネットワーク業界という業界の優位性ですね。

理由5:これから新しいビジネスチャンスが出てくる可能性がある

ちょっと上記と矛盾するような事に見えるかもしれませんが、ネットワークはServer/Storageなどのインフラ要素と比べると、より新しいビジネスチャンスが出てくる可能性がある分野でもあります。具体的にいうと、ネットワークの自動化・仮想化です。

私はこのブログで「SDNって本当にいるの?」という問いを投げかける記事をいくつか書いています。その思いは今も変わっていません。でも、それはユーザー企業レベルの話です。

一日に数十件、規模によっては数百件のネットワーク環境を作る必要のあるサービスプロバイダ・クラウド事業者は、間違いなくネットワークの自動化・仮想化の恩恵を受けるはずです。なので、まだ成熟しきってないこの分野に早めに携わるチャンスを得る事はエンジニアとして大変価値があることです。

しかし、急に「ネットワーク仮想化・自動化・SDN・NFV」とか言っても、ネットワークの本質的な部分を理解していないと、結局は「軽い発言・知識」しか得る事が出来ません。必ずネットワークの基礎の知識を理解している事が重要です。それらの知識を得る・補う為にも、ネットワーク資格の勉強をすることは意味があると思います。

終わりに、ちょっと脱線

以上が、私が感じたN/W資格を得る事の優位性です。

若干大げさに書いているところがありますが、要するに「ネットワーク資格って他のIT分野の資格よりもトクなことが一杯あるよ!」と感じてます、ってことが言いたかったです。

ちなみに、今回のトピックとは脱線しちゃいますが、日本の終身雇用って長年続いていたようにメディアは言いますが、果たして本当にそうでしょうか?だって、戦後復興を仮に1950年頃からだとして、そこから仮に終身雇用の定着したとしても、たった60年そこそこですよね?つまり、実際に終身雇用の恩恵をフルに受けたのって1世代くらいしかないじゃないですか。なので、メディアが「長年続いた日本の終身雇用・年功序列が・・・」とか聞くたびに違和感を感じてしまいます。

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