1660Sが37MH/sになる噂のvBIOSを再度試した(一応成功)

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前回の記事でHiveOSでのvBIOS更新が失敗したのですが、ネットの情報を見ると「WindowsのNVFlashならいける」とあったので、試してみました。

結論から言うと、色々問題が出たのですが、最終的には動作までこじつけることができました。

今回は一応GPU-Zでの電力チェックと壁読みの電力チェックの両方も実施してみました。

vBIOS更新はグラフィックカードの破損につながる可能性があります。この記事で推奨しているわけではありませんし、完全に自己責任です。

はじめに

vBIOS更新はグラフィックカードの破損につながる可能性があります。この記事で推奨しているわけではありませんし、完全に自己責任です。

以前の記事はこちらを参照してください。

上記の時はHiveOSからvBIOSアップデートを試みたのですが、異なるDevice IDのアップデートでエラーが発生し、それ以上はリスクを負いたくないのでペンディング状態にしていました。

ただ、Hive Forumなどで「WindowsのNVFlashならバックアップを取得し、イメージの書き込みができた」と情報があったので、試しにやってみることに。

やったこと

Windowsマシンに該当のグラフィックカードを挿入して起動。ただ、画面出力は別系統で行いたかったので、具体的には以下の構成。

  • 画面出力:RTX3060
  • アップデート対象:GTX1660 Super

ちなみに今回の1660 Superはライザーカード経由です。

事前に以下は準備してWindowsに保存します。

  • NVFlash64
  • アップデートRom(以降 update.rom)

後はNVFlashの実行だけです。まずはコマンドプロンプトを管理者モードで実行して、グラフィックカードのリストを確認。

C:\Apps\1660update>nvflash64.exe --list
NVIDIA Firmware Update Utility (Version 5.715.0)
Copyright (C) 1993-2021, NVIDIA Corporation. All rights reserved.


NVIDIA display adapters present in system:
<0> NVIDIA GeForce RTX 3060 (10DE,2503,19DA,4630) S:00,B:01,D:00,F:00
<1> NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER (10DE,21C4,1462,8D94) S:00,B:07,D:00,F:00

Index0にRTX3060、Index1にGTX1660 Superが存在している。

つぎにバックアップです。万が一誤ってIndex0のRTX3060にFlashしてしまったとき用に、一応両方のグラフィックカードのバックアップを取得します。

まずはRTX3060。「–index=0-」でRTX3060を指定します。

C:\Apps\1660update>nvflash64.exe --index=0 --save 3060.rom
NVIDIA Firmware Update Utility (Version 5.715.0)
Copyright (C) 1993-2021, NVIDIA Corporation. All rights reserved.


Build GUID            : SNIP
IFR Subsystem ID      : 19DA-4630
Subsystem Vendor ID   : 0x19DA
Subsystem ID          : 0x4630
Version               : 94.06.14.00.5E
Image Hash            : N/A
Hierarchy ID          : Normal Board
Build Date            : 01/06/21
Modification Date     : 01/12/21
UEFI Version          : 0x6000B ( x64 )
UEFI Variant ID       : SNIP ( GA1xx )
UEFI Signer(s)        : Microsoft Corporation UEFI CA 2011
XUSB-FW Version ID    : N/A
XUSB-FW Build Time    : N/A
InfoROM Version       : G001.0000.03.03
InfoROM Backup        : Present
License Placeholder   : Present
GPU Mode              : N/A
CEC OTA-signed Blob   : Not Present

次にGTX1660 Super。「–index=1」で指定します。

C:\Apps\1660update>nvflash64.exe --index=1 --save 1660s.rom
NVIDIA Firmware Update Utility (Version 5.715.0)
Copyright (C) 1993-2021, NVIDIA Corporation. All rights reserved.


Build GUID            : SNIP
IFR Subsystem ID      : 1462-8D94
Subsystem Vendor ID   : 0x1462
Subsystem ID          : 0x8D94
Version               : 90.16.4F.40.2C
Image Hash            : SNIP
Hierarchy ID          : Normal Board
Build Date            : 03/27/20
Modification Date     : 08/20/20
UEFI Version          : SNIP ( x64 )
UEFI Variant ID       : 0x0000000000000009 ( TU1xx )
UEFI Signer(s)        : Microsoft Corporation UEFI CA 2011
XUSB-FW Version ID    : SNIP
XUSB-FW Build Time    : 2019-05-16 18:12:54
InfoROM Version       : G001.0000.02.04
InfoROM Backup        : Present
License Placeholder   : Present
GPU Mode              : N/A
CEC OTA-signed Blob   : Not Present

これでローカルにバックアップが保存されます。上記を見ればわかるように、vBIOSのバージョンが90.15.4F.40.2Cとなっており、これはHiveOSで確認したバージョンと一致しています。

しっかりローカルにバックアップが保存されたことを確認してください。

では、いよいよGTX 1660 Superに謎vBIOSを書き込みます・・・

C:\Apps\1660update>nvflash64.exe --index=1 -6 update.rom
NVIDIA Firmware Update Utility (Version 5.715.0)
Copyright (C) 1993-2021, NVIDIA Corporation. All rights reserved.


Checking for matches between display adapter(s) and image(s)...

WARNING: Firmware image PCI Subsystem ID (10DE.21C4)
  does not match adapter PCI Subsystem ID (1462.8D94).

You are intending to override PCI Subsystem ID.
Are you sure you want to continue?
Press 'y' to confirm (any other key to abort): y
Overriding the PCI Subsystem ID mismatch.
Current      - Version:SNIP
               GPU Board (Normal Board)
Replace with - Version:SNIP
               SNIP (Normal Board)

Update display adapter firmware?
Press 'y' to confirm (any other key to abort):
[==================================================] 100 %

A reboot is required for the update to take effect.

1分程で終わりました。

以上でvBIOSの書き込みが完了したはずです。実際にHiveOSのマシンにグラフィックカードを戻して確認してみます。

動作確認

まず、書き換え前の情報がこちら。

通常のGTX 1660 Superのハッシュレートです。メモリベンダがHynixなのでメモリクロックを下げている形です。

次に、それなりにOC設定を行った後の、vBIOSアップデート後の情報がこちら。

確かにハッシュレートが上がっています。メモリクロックを上げれば37MH/sくらいまで行ったのですが、かなり不安定(電力表示やファンが見れなくなったりMinerが再起動する)だったため、今はこの値に落ち着きました。

消費電力は?

vBIOSアップデート後もHiveOSで電力確認は可能なのですが、そもそもvBIOSが本当に正しい値を返しているかが謎です。具体的には上記の画像を見る限り、更新前は76Wなのに対し、更新後は81Wとなっています。本当に5Wの差で4MHも違うのか?

できる範囲で確認してみました。

WindowsのGPU-Zでまずは確認してみました。上記はアップデート前の状態でWindowsでT-Rexを使用したケースです。約77.1Wの使用となっています。

では、アップデート後はどうなったか?

なんと、使用電力が確認できません。これは不安になりますね。まぁスロットから75W以上取っていることはないと信じますが、やはり合計が知りたいです。

という訳で、コンセントに直接接続したワットチェッカーで壁読みしてみました。とはいっても、このGTX1660 Super以外全てを外して、、、というのは流石に面倒だったので、全部設置した状態です。

上記がアップデート前の状態です。合計で847W消費していることがわかりますね。

で、以下がGTX 1660 Superを1枚アップデートしてOC設定を変更した結果です。

859Wとの表示です。約12Wの増加ですね。ただ、複数のグラフィックカードを搭載しているので、数Wは増減するため、確実な値ではないです。

ただ、壁読みした限りでは極端に数十W上がっているようには見受けられませんでした。

関係ないとは思うが・・・

今回のvBIOSアップデート中に、実は色々ありました。いずれも今回の作業に直接の関連はないと思いますが、一応記しておきます。

WindowsマシンのBIOS設定が飛んだ

アップデート予定のGTX 1660 SuperをWindowsマシンのライザーカードに挿入して、マシンをスタートすると・・・

BIOSの前の段階で「なぜかBIOSの設定が飛んだからよろしく」と表示されました。

特に問題なく動いていますし、そもそもvBIOSのアップデート前の話なので、今回のアップデートが影響しているとは思っていないです。

HiveOSマシンの動作が若干おかしくなった

困ったことに2つ問題が発生しました。

BIOS後に起動しなくなった

アップデート後のグラフィックカードを挿してHiveOSマシンの電源をONにすると・・・

なぜかBIOSより先に進まない。

これは流石に参りました。

ただ、なぜかBIOS画面でESCを押してBIOSを終わらせると、HiveOSのGRUB画面に遷移し、一応動く・・・

ちなみにvBIOSをアップデートしたグラフィックカードを抜いても同じ事象が発生。

私の推測では、単純にHiveOSの障害であり、グラフィックカードをアップデートした事とは因果関係がない気がします。

ただ、こちらはトラシューのためSSDを購入して、新しいSSDにHiveOSを入れて問題を切り分けする予定です。

HiveOSのX Windowsが起動しない

HiveOSのX Windowsを起動する前にハングする。

これも何度か起動を繰り返すと進むこともあり、ぶっちゃけHiveOSが不安定です。

こちらも新しいSSDにHiveOSを入れ直して安定するかと確認予定。

まとめ

一応うまくいっています。ただ、本当に安定しているかは数日経過観察しないとなんとも言えません。万が一異常な電力を消費し始めた場合のために、電力の閾値を設けて自動で壁コンセントを落とす設定にしています。

個人的には上記の事象が改善されるまでは推奨はできません。わずか5MHの差異の為に基にしなければいけないファクターが多すぎるので・・・

vBIOS更新はグラフィックカードの破損につながる可能性があります。この記事で推奨しているわけではありませんし、完全に自己責任です。

コメント

  1. 梅本勝明 より:

    私はマイニング初心者なんですが、すごくお詳しいですよね!
    マイニングがきっかけでPCを触るようになって、毎日楽しくネットで調べながらあれこれやってます(笑)
    仕事が機械加工なものですから、サーバーケースも自分で作ってみようかと思った次第です。
    もっとプログラム的な事も勉強してみたいのですが、歳も歳ですのでボチボチと楽しみながらやってみたいと思います。
    今後とも活躍期待しております。

    • CCIE_TOZAI より:

      私は友人のマイニングリグをサポートしているうちに、自然と知識が増えていきました(笑)
      やはり楽しいと思えると知識が増えていきますね。
      個人的には自分専用のリグを作ったりしたいのですが、何分経験がなく、機械加工ができるのは本当に羨ましいです。
      やはり好きなことを自分のペースでやるのがストレスもなく楽しめますね。
      今後とも、よろしくお願いいたします。

  2. 田中 より:

    コンセントを落とすというのはそういうコンセントがあるということでしょうか?
    それともhiveosでそういう設定方法があるということでしょうか?
    良かったら紹介記事書いてください

    • CCIE_TOZAI より:

      コメントありがとうございます。
      HiveOS上での設定ではなく、物理的にコンセントに刺しているアイテムです。
      プラススタイルという日本の製品で、コンセントに接続してワットを監視しており、一定以上に電力を使うと自動的に電源を落とす仕組みです。
      時間がある時に紹介しますね。

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