AWSソリューションアーキテクト(アソシエイト)に合格しました。
合格後に勉強方法を振り返って、この資格の効率的な勉強方法を考えてみたので共有します。
はじめに
この記事の目的
AWSソリューションアーキテクト(アソシエイト)という資格があります。この資格はAmazonのAWSというパブリッククラウドの知識を問う試験でして、アメリカの「稼げる認定資格 Top15 2017年版(15 Top-Paying Certifications for 2017)」でNo3になった、現在非常に注目されている資格(らしい)です。
先日、この資格を取得するための試験に無事合格しました。
この資格、他のIT資格とは若干異質なところがあります。決して内容自体が高度なわけではなく、勉強方法を確立するのが大変なのです。その辺は後ほど詳しく説明しますが、人によっては「興味はあるけど、何から手をつけたら良いかわからない」って人が多いのでは。
この記事では、実際に合格した後に「やっぱり、この勉強方法は良かった、ここは改善できた」って感じで、色々考えた結果をまとめたものです。
今後ASAを勉強する方のお力に、少しでもなれたら幸いです。
ちなみに、この勉強方法でも「合格できなかった!」とかでも責任は持てません。頑張ってください!
この記事の対象読者
- AWSソリューションアーキテクト(アソシエイト)(以下ASA)の受験を検討している人。
- ASAの試験内容についてざっくり知りたい人。
この記事で得られる事(多分・・・)
- ASAの効率的な勉強方法
- ASAの試験対策で、何を把握しておくべきか?
ちなみにテスト問題は一切含めません。あくまでも、個人的に勉強方法をまとめたものです。
この記事の読み方
必ず初めから最後まで、順を追って読むことをお勧めします。上でも説明しましたが、ASA合格のための勉強は、他のIT資格の勉強とは異なる側面が多々ありますので。
特に「先入観の取っ払い」は必ず読んでください。
(これまで私はCCIE/VCP/CISSPなど、様々な資格の勉強方法を紹介してきましたが、ASAの勉強はいずれとも違うものです)
事前に必要なスキル
- AWSの用語を理解している事が望ましいが「必須ではない」
- ITインフラ構築全般の用語が分かってるとベター
その程度です。AWSは専門用語が沢山あるので、初めは面食らうと思います。
数時間で慣れます。ご安心ください。
私のスペック
主な取得済の資格
- CCIE
- VCIX-NV
- CISSP
他にVCPとかPython資格とかありますが、その辺は割愛します。
誤解のないように先に言っときますが、上記の資格はASAの受験に必須ではありませんし、有利でもありません。
一般的なIT試験の受験経験がある事を伝えたかっただけです。
AWS周りの経験値(資格取得前)
- EC2で仮想VM構築経験あり
- EBSとEC2の組み合わせ構築経験あり
- S3をデータのプールとしての使用経験あり
- IAMとか少しだけあり
この程度です。
もし、この記事を読んでいて「なんのこっちゃ!」と思われた場合は、ご安心ください。
上にも書きましたが、AWS用語なんて1時間くらい勉強すればわかるようになります。
では、さっそく始めましょう
先入観の取っ払い
IT資格で「CCNA」という資格があります。殆どの人が知ってますよね?ネットワークの資格です。「TOEIC」って知ってますか?英語の試験ですね。
「ASA」はどうでしょう?AWSの試験ですね。
でも、「じゃあ、ASAの試験ってどんな内容?」と聞いた場合、殆どの人が回答に迷うはずです。
- AWSっていうパブリッククラウドの内容だから・・・あれ?具体的にはどんなんだろう?
- AWSって仮想サーバーだけじゃなくて色々あるから・・・うーむ・・・
って感じではないでしょうか?
CCNAは「ネットワークの資格だから、TCP/IPとかルーター」・TOEICは「英語の試験だから、英文法の空白を埋めたり・・・」とか、少しは具体的な内容が頭に浮かぶはずなのに、、、ASAって?
私は、この「もやもやっとした感じ」が、ASAの試験対策をする上で一番大きなハードルだと思いました。
つまり、「試験のイメージが沸かないので、そもそも勉強前に諦めたり、非効率的な勉強をする人が多い」と感じたのです。
試験のイメージが沸かないので「ASAの勉強は何となく難しそう。。(やっぱ研修とか行ける人じゃないと無理なのかな・・・)」とか、先入観を持ってしまうのです。
大丈夫です。私も初めはそうでした。でも、普通に独学で合格できました。
安心してください。大丈夫です。その先入観は捨てましょう。
「捨てましょう」と言っても、簡単には排除できないと思うので、まずはその辺の「もやもやっとした不安」を取り除いていきましょう。
試験の範囲がよくわからん!
これが一番の「もやもや」の原因のはずです。
Amazonが公開している試験範囲は以下の通り。
分野 | 試験に占める割合 |
1.0 高可用性、コスト効率、対障害性、スケーラブルなシステムの設計 | 60% |
2.0 実装/デプロイ | 10% |
3.0 データセキュリティ | 20% |
4.0 トラブルシューティング | 10% |
合計 | 100% |
いや・・・そりゃ、そうだけどさ・・・
って感じで「合格する為に、何から手をつけたらいいか、、わからない」。ですよね?
後ほど具体的な勉強方法は説明しますが、、
この試験の準備で最も重要なのは
「上記の分野をAWSの製品群にマッピングして、その製品の特徴を学ぶ」
ことです。
先に小出ししますが、具体的には最低でも以下のAWSのコンポーネントの「理解」が必要です。
- EC2
- EBS
- S3
- VPC
- ELB
- R53
- RDS
- DynamoDB
- IAM
以下についても、それなりに理解が必要です。
- ElastiCache
- Auto Scaling
- Glacier
- CloudFront
- DirectConnect
- StorageGateway
- RedShift
- CloudWatch
- CloudFormation
- CloudTrail
細かいものは省きました。
きたーー!一気に難しくなった!
と思ったかもしれませんが、安心してください!
こんなの、AWS用語です!
別に全て新しいテクノロジーとして覚えるわけじゃないです!
例えば、S3。聞いたことがない人にとっては「なにそれ?なんか難しそう!」と思うかもしれませんが。
結局はDropBoxみたいなものです。
例えば、RDS。なんか「とてつもなく凄い、Amazonが考え出したDB?怖い!」と思うかもしれませんが。
結局はOracleとかMySQLエンジンが乗っかるVMです。
例えば、CloudWatch。なんか「凄い広い感じで、怖い!」と思うかもしれませんが。
結局はAWSの監視ソフトみたいなもんです。
つまり、「安心してください」。IT業界でお仕事している人にとっては、まっさらからスタートのテクノロジーは少ないはずです。
要するに、これまでのIT経験とAWSのサービスをマッピングさせれば良いのです。
当然「私はDBのスペシャリストじゃないから、OracleとかMySQLとか言われても・・・」と思う人もいるかもしれません。でも、例えば各DBの細かい仕様(索引のチューニングとか、ロックエスカレーションとか)は出ない(はず)です。その辺のさじ加減も後ほど紹介します。
AWSは新しいサービスをどんどん出してきてるから、勉強がしずらい?
こんな「いくら勉強をがんばっても試験の更新の方が早い」みたいな感覚に陥る「噂」を聞いて、「じゃあ、何を勉強すればよいか、さらにわからなくなった!最新はなに!?」と「もやもや」してる人も多いのでは。
私もそうでした。勉強の最初のほうでは「これって最新なのかな?試験はどの時点のものなのかな?」と不安になりながら勉強してました。
安心してください。本質的なサービスは殆ど変わっていません。少なくともあなたが考えているような「日進月歩」ではありません。
ただ、残念ながら、いくつかのサービスは確かに新規追加されたり更新されたりしています。
でも(根拠はないですが)、全体の2割り程度と思って、割り切って勉強しましょう。
本質的なサービスの理解ができていれば、後は追加情報の取得で問題ないはずです。
独学(研修なし)で合格できるか?
個人費用ゼロで研修に行ける人よりも、自費で勉強している人の方が多いでしょう。私も同じです。
結論から言うと、できます。
むしろ「ASAは他の難易度の高い資格よりも、研修や外部講習なしでも勉強がしやすい資格」と感じたくらいです。
理由は以下の通り
勉強に特別な機器の購入が不要
CCNAなどのシスコ資格だと、ルータとかスイッチに触れれたほうが有利です
VCPなどのVMware資格だと、vCenterとかに触れれたほうが有利です
上記はいずれもお金がかかります。vCenterのライセンスとかだと10万くらいは必要です。(私は個人で持ってますが・・・)
でも、AWSの勉強には特別な機器やライセンスは不要です。AWSのお試しなら無料でトライできます。
書籍も後述する1冊だけ購入すれば合格できます。少なくとも私はできました。
AmazonのAWSサイトに情報が溢れている
後述しますが、「AWSサイトに、勉強に活用できる資料が沢山」あります。無料です。
あ!この時点でAWSのサイトにアクセスして色んな資料を漁りはじめるのはやめましょう。情報量が多すぎて、うんざりする可能性が大です。うんざりして取得に諦めてしまったら意味がありません。
「出題範囲が曖昧なのに、勉強に活用できそうな資料が膨大にある」
これがASAの勉強を始めようとしたときに直面する初めのハードルですから。。。
AWSを一回も触った事ないんだけど・・・?
うーん(笑)まぁ何とかなるでしょう!
まず、安心して欲しいのは、AWSは無料でVM作ったり、ストレージ触ったりできること。
その辺は後述しますが、勉強の中でAWSを操作したり壊したりする事でキャッチアップは十分に可能です。
勉強方法サマリ
ここまでで少しはASA勉強に対する阻害要因(もやもや感)が減ったと思います。
では、いよいよ勉強の流れを説明します。
ざっくり言うと、以下の流れが最も効率的だと考えています。
- 「合格対策 AWS認定ソリューションアーキテクト」を読破する
- AWS主要サービスのブラックベルトを読破する
- 実際にAWSに登録して、環境を作ってみる
- (オプション)「Amazon Web Services クラウドデザインパターン 設計ガイド」を読む
- 各ソリューション別のブラックベルトを読む
絶対に「2」を先にやってはいけません。理由は後述します。
「合格対策 AWS認定ソリューションアーキテクト」を読破する
「合格対策 AWS認定ソリューションアーキテクト」とは、唯一のASA用の日本語テキストです。
合格対策 AWS認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト
この書籍は「AWSの主要サービス」を「ざっくりと」把握するのに役立ちます。
まずは、これを読破してください。個人的にはKindle版を購入する事を強くオススメします。詳細は後述しますが、私はCCIEやCISSPの勉強の時も常に電子書籍派です。
この書籍の内容を理解して、ようやくASAの詳細を勉強するための土俵に立てます。
なぜ、この書籍から始めるべきなのか?
理由は簡単です。「AWSの全体像を把握する最も効率の良い方法」だからです。
上記で言いましたが(そして、以降も何度か言いますが)、この試験で最も重要なのは「AWSのサービスを一通り理解する」ことです。
「AWSのトラブルシューティング」や「要件に対する最適な組み合わせ」などの知識も必要ですが、それらは「全て」サービスの理解の上に成り立ってます。
AWSのサービス群の理解がなければ、絶対に合格できません。
AWSのサービスを理解する方法は沢山あります。AWSサイトの資料を読むとか、研修に参加するとか、Webセミナーを見るとか。
しかし、いずれも致命的な問題があります。「各々のサービスの理解には役に立つが、全体像の把握が困難」ということと「非常に非効率」であることです。つまり、「木を見て森を見ず」状態になることです。
各々のサービスを初めから細かく見ていくと「気が遠くなる・・・時間がかかりすぎる・・・やめよう」となります。
この書籍は「AWSのサービスの全体像」を把握するために非常に役立ちます。各サービスの詳細までは説明されていませんが、「森」を見せてくれる書籍です。
また、通常のインフラ(オンプレ)の場合(アーキテクチャ)と、それをAWSのサービスに置き換えた場合、って形で解説されています。非常に分かりやすいです。
発行から1年経ってる古い書籍だけど大丈夫?
私はこの書籍を勉強の初めに活用しましたが、合格した今でも正しい選択だったと確信しています。
確かに1年ほど前の書籍ですが、AWSの主要なサービスは変わっていません。細かい仕様は後ほど別の方法(ブラックベルト)で勉強します。この段階で重要なのは「AWSの全体像」を把握する事です。
これ以外の試験対策書籍が存在していない理由を逆に考えてみてください。もし、ASAの試験範囲がこの書籍から逸脱していたら、新しい書籍が出てるはずです。
この書籍で得られるもの
上記の通り「AWSのサービス群の全体像」がしっかり理解できます。
「ASAで求められる内容って、これなのね」ってのがわかります。
これを何度も何度も読んで、主要サービスを身体に染み込ませる
身体にしみこませましょう!
これが出来たら、ASAの勉強の半分以上は終わったと思ってもいいです。
例えば「ELBでEC2への負荷を分散したい場合・・・」とかの問いが出た場合。
「あぁ、少なくとも1つのリージョンの中の話だな」
って感じになってるはずです。「暗号みたいな文章」から「用語が分かって、問いの意図とスコープが理解できる文章」に感じるはずです。
逆に言うと、この勉強を疎かにすると、手戻りが発生しまくりで非常に非効率です。なので、(最初は各サービスの詳細を知りたくてうずうずするかもしれませんが・・・)絶対に全体像の把握を先にやってください。
実は、ここまで出来たら、ASAの勉強は半分終わったようなものです。やったーー!
でも、これだけだと合格は絶対に無理です。
次のステップ「AWS主要サービスのブラックベルトを読破する」で、細かい内容を理解する必要があります。
ここまででかかる時間は・・・15時間くらい?
私はASAの勉強にかけた全ての時間が「20時間」程度です。
でも、私は(感じ悪く聞こえるかもしれませんが)、ネットワークとかサーバーとかストレージとかDBとか、とりあえず様々な業務の設計からインプリまでやってきた経験があるので、、。私の勉強時間は参考にしないほうがいいと思います。
この「基本を身に付ける」プロセスは一番重要なので、焦らずにじっくり勉強すべきです。なので、最低でも3週は読み込んだほうがいいです。
一回の読み込みにかける時間を5時間として、15時間くらいは必要だと思います。
AWS主要サービスのブラックベルトを読破する
上記の書籍で「森」の理解ができたら、次は各々の「木」の仕様をブラックベルトの資料で勉強します。
AWSには沢山のホワイトペーパーやサービスマニュアルがありますが、ブラックベルトが一番まとまっていて勉強の効率化に役立ちます。
ブラックベルトとは、AWSが無料で公開している各サービスの機能が説明されている資料です。PDFとSlideShareとウェブセミナーの3種類があります。
日本人だったら「ブラックベルトって黒帯のことでしょ!?つまり、プロの資料でしょ!?難しそう!」と思うかもしれません。
安心してください。そんな細かい事は書いてません。サービスの説明が主です。
上記の書籍を読破できていたら、分からない用語は殆どないはずです。
逆に言うと、だから上記の書籍を先に読む必要があるんです。
ブラックベルトを先に読み始めると・・・
- なんか、分からない単語が出てきた
- Googleとかで検索する
- 別のサービスとの絡みの内容がヒットする
- 別のサービスをGoogleとかで検索する
- 以降「3」のループ・・・
って事が「何度も何度も」繰り返されます。非常に非常に非効率です。
ちなみに、1つのサービスにつき1つのファイルの構成になっています。
1つのファイルは100ページくらいあります。量が多そうで驚くかもしれませんが、紙芝居のスライドの繰り返しが殆どなので、理解するのにそれ程時間はかかりません。てか、ブラックベルトを普通に読めたら、既にレベルが上がっている証拠です。(やったね!)
「特に」重点的に読み込んだほうがいいコンポーネント
結局、上と同じですが・・・
- EC2
- EBS
- S3
- VPC
- ELB
- R53
- RDS
- DynamoDB
- IAM
この辺は絶対に読み込みましょう。DynamoDBはそこまでかな・・・・
特に特に「VPC/ELBなどのネットワーク周り」は非常に非常に重要です。なぜならば、「設計」関連の質問では「どうやって接続するか?」とかの理解が必要不可欠だからです。
これらのサービスは「できること・できないこと」は当然ですが、「設定できる値、値の組み合わせ」レベルで理解しておいたほうが好ましいです。
RDSに対応しているDBエンジンは?ネットワークACLとSecurityGroupの違いは?
とか、基本的な内容だけではなく
XXXの制約として、何個までアタッチできるか?それは申請によって緩和できるか?
とかまで理解しておいたほうがいいです。
あ、あとS3は本当に重要です。AWSと言えば「EC2!」と答える人が多いと思いますが、コンポーネント間の疎結合を実現している本質的なAWSサービスはS3だと個人的には思っています。業務の主要素はEC2かもしれませんが、オペレーションの主要素はS3ということです。S3は色んなサービスと繋がるので、ここを中心に色んなサービスを理解していくと頭の中がスッキリします。
ちなみに、私はS3は好きではありません。好みと重要度は別ということです。
サービスの内容は絶対に知っておいたほうが良いコンポーネント
これも上と同じですが・・・
- ElastiCache
- Auto Scaling
- Glacier
- CloudFront
- DirectConnect
- StorageGateway
- RedShift
- CloudWatch
- CloudFormation
- CloudTrail
Glacierは詳細に理解しておいたほうがいいかも・・・
これらのコンポーネントは細かい値まで知っておいたほうが好ましいのですが、そこまでやると「時間がかかりすぎる」ので・・・少なくとも「なにをするものか?」は絶対に知る必要があります。
これには理由があります。
AWSは複数のサービスの組み合わせでシステム要件に柔軟に対応できるという特徴があります。・・・というのがAmazonの売り文句です。
個人的にはこのアプローチは「Amazonというベンダーにロックインする」リスクがあるのですが、その辺は話が完全に脱線するので別の記事で紹介する予定です。
・・・とにかく、AWSの特徴として「複数のサービスの組み合わせによって威力を発揮する」わけですから、例えばEC2の問題とかでも「じゃあCloudWatchにはどんな情報が発砲できるの?」って感じで組み合わせ問題が出る可能性もありますよね。
なので、サービスが何をするものか?の把握は絶対に必要です。
この勉強にかかる時間は・・・10時間くらい?
上記の書籍を読み込んでること前提です。
しっかり基礎を身に付けていたら、すんなり頭に入ってくるはず。10時間くらいの勉強時間だと思います。
実際にAWSに登録して、環境を作ってみる
AWSに登録して、VMとかDBとかVPCとかを作ってみましょう。
安心してください。基本的に主要サービスは無料で試せます。試すだけなら高性能なVMは不要なので、無料で試せるt2.microで十分です。(ほら、t2.microって言っても意味がわかってきたでしょ?やったー!)
IAMでユーザ作ったり、EBSを使ってみたりすると、これまで勉強した内容が「頭の中で体系だって」整理できるはずです。
そして、色々壊してみましょう。
自分だけの環境なので、誰にも迷惑がかかりません。
壊してみると「あ!こっちのコンポーネントも引きづられて使えなくなった!」とか「あ!こっちの設定が残ってるから、これはまだ使える!」とか、依存関係が染み付きます。絶対に試験で生きてきます。
例えばセキュリティグループをEC2インスタンスの起動中に設定変更してみるとか、そういう操作を実際にやってみる事で「分散疎結合」とかいう「言葉だけだと理解しづらい」内容も身体で覚える事ができます。(私はSOAの時代からお客様に「分散疎結合!分散疎結合!」と説明していた立場なのですが・・・)
(オプション)「Amazon Web Services クラウドデザインパターン 設計ガイド」を読む
ここまで勉強プロセスが完了したら、実際の試験でも「かなーりいい線」いくのでは?と思います。
でも、まだ安心して合格レベルではありません。
何が欠けているか?
AWSの「各種サービスを組み合わせた、実際の活用事例」の理解です。
ここまでの勉強で「各コンポーネントの理解・仕様」と「実際に試してみて、サービスの使い方」は分かったと思いますが、「現実世界で、一般的に、どのサービスを組み合わせるべきか?」についてはクリアになってないですよね。
これが分かっていないと、設計について問われたときにベースラインが確立できてないので苦労します。
なので、「Amazon Web Services クラウドデザインパターン 設計ガイド」を読んで「一般的な構成ではXXとXXを組み合わせるのがAWSのセオリー」ってのを理解するのです。
この勉強をすることにより、以下の効果が期待できます。
- これまで勉強したサービスの繋がりの考え方が正しかったと自信を持てる
- 自分の理解が足りない箇所・サービスが認識できる
なので、こちらの書籍を一通りよんで、一般的な活用事例を把握する事が望ましい。
・・・のですが、ぶっちゃけ、この書籍の購入は必須ではないと、合格した後に感じました。
理由は、次の「各ソリューション別のブラックベルトを読む」で事足りると思ったからです。
確かに、この書籍は時間の短縮に繋がります。でも、この記事の流れで勉強してたら既に各サービス固有の理解度は深まってるはずなので、以下の「各ソリューション別のブラックベルトを読む」に時間がかからないはずです。
だから、このステップは「オプション」にしてます。お金に余裕がない場合はスキップしてもよいかと。
各ソリューション別のブラックベルトを読む
各サービスのブラックベルトと同じページの下のほうに「ソリューション別資料」ってのがあります。それです。
こちらの大事そうな資料を読んでおきましょう。例えば
- Provisioning & Deploy on AWS
- AWS上の暗号化ソリューション
- AWSサービスの権限管理
- AWS 上での Web アプリケーションデプロイ
- AWS 上でのネットワーク構築
- 貴重なデータを守るクラウドバックアップの実現
- これで完璧、AWS の運用監視
- AWS へのアプリケーション移行の考え方と実践
- AWS とのネットワーク接続入門
- クラウドのためのアーキテクチャ設計 -ベストプラクティス-
- AWSで実現するDisaster Recovery
- 初心者向けクラウドコンピューティング はじめの一歩
最低でもこのくらいは読んでおきましょう。多そうに見えますが、既に理解しているサービスの組み合わせの話なので、普通の読み物として楽しめるはずです。また、これまでの疑問も解決されるはずなので、頭の中がスッキリするはずです。
ASAの勉強の過程で一番気持ちがいいタイミングだと思います(笑)
あとは受験あるのみ!
ここまで勉強したら、かなりの確立で合格できるはずです(やったー!)。
私はこの方法で無事合格できました。ちなみに(別の記事でも書きましたが)私の合格時のスコアは以下の通りです。
総合得点:85%
分野 | 得点 |
1.0 高可用性、コスト効率、対障害性、スケーラブルなシステムの設計 | 81% |
2.0 実装/デプロイ | 100% |
3.0 データセキュリティ | 81% |
4.0 トラブルシューティング | 100% |
合格ラインは66%くらいと言われているので、十分安全圏ですね。
(テスト中は非常に不安でしたが・・・)
ちなみに、人によっては、事前に模試を受ける人もいると思います。2,160円で受験できるので、試験の感覚を掴む有効な方法だと思います。
でも、私は模試は受けていません。
理由はシンプルで、個人で受けていたからです。お金がもったいなかった。模試に投資するのであれば、上記の書籍を読み込んだほうが本番で効果的だと思ったからです。上記の書籍には参考問題も含まれていたので、ざっくりとしたテストの感覚はつかめていましたし。
でも、だからといって模試を否定するつもりはありません。活用できるものは全て活用したほうがいいです。余裕があるのであれば積極的に利用するべきです。
その他
以上が、「実際にASAに合格した後に考えた、効率の良い勉強方法」です。
ここから先は「合格に少しだけ近づくための、勉強のコツ」です。
Tips程度に読んでください。
難しいと思わないこと!
「なんだか難しそうだから、自分には敷居が高そうだな・・・」
とか思わない事!
この不毛な不安・考えが、自分自身のスキルを停滞させる最大要因だと私は思います。
そんな事を言ったら、何もできなくなってしまう!
感情論抜きでも、ASAは劇ムズな資格ではありません。AWSのサービスを理解すれば良いだけです。
色々試験を受けてきた立場から申し上げますと、ASAの難易度は。
- CCNAよりちょっと簡単
- CCIEの1/100の難易度
- ITIL Foundationと同じくらい
- CISSPの1/10の難易度
- VCP-DCVの1/3の難易度
こんなものです。力まずに、気を楽にして勉強すればいいのです。
隙間時間を活用しよう
サラリーマンは忙しいです。ASAの難易度がそれ程高くないといっても、勉強が必要なのは当然でして、勉強時間を「いかに作るか?」がポイントになってきます。
CCIEの勉強方法でも書きましたが、隙間時間をいかに有効に勉強時間に変化させるか、が大事です。
特にASAは隙間時間を使って勉強しやすい資格と言えます。ブラックベルトの資料は全て無料でPDFでダウンロードできるので、KindleやiPadで簡単に持ち歩けます。電車の中で勉強するのにうってつけです。
個人的には上記の書籍もKindle書籍で購入する事を強くお勧めします。はっきりいって、勉強効率に圧倒的な差がつきます。私はCCIEもCISSPも電子書籍メインで勉強して、一発合格しています。
合格できなかったら?
非常に残念ですが、合格できないケースもあります。そんなワーストケースも考えておいて損はありません。
重要なのは「テスト中に合否の可能性」を計算する事です。
私はIT資格のテストを受けてるときに、常に以下のように回答した問題を分類しています。
- 絶対に正しいはずの回答
- 多分合ってるはずの回答
- ぶっちゃけ、わからなかあった回答
上記をかけあわせて「合格は絶望的」と判断された場合は、、、
合格は諦めて、テストの質問を可能な限り記憶します。そして、部屋を出た瞬間にメモして、帰って答えを調べます。
これによって出題範囲が具体的に分かって、自分のウイークポイントが浮かび上がってきます。
最悪なのは「自分の弱点が不明で、不合格になった」パターンです。このケースが続くとモチベーションが下がって、資格勉強が嫌になり、諦めてしまうケースになります。
ちなみに、自分はVCIX-NVというIT資格以外は落ちた事がありません。VCIX-NVでは上記のような作業を少し行いました。
まとめ
ASAの試験は簡単ではありません。でも、超難易度が高いわけでもありません。
しっかりと、ロジカルに、効率的に勉強すれば、誰でも合格できます。
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