「マイナーのおかげで品薄でRTX3060からはマイニング制限がかかっている」と噂のRTX3060を実際に購入してマイニングしてみました。
そもそもの経緯
昨日(2021年2月26日)に1つのGPUがNVIDIAから発売されました。
RTX3060です。
この製品、製品スペックと比較して値段が高額など散々な前評判だったのですが、その中でも最も特徴的なのが
「マイニング制限がかかっている」
という情報です。
これはNVIDIAが正式に発表した情報です。
そもそも現在GPUが世界的に品薄であり、本当に必要な人(本当に必要な人って誰だよ?って話はおいておいて)の手元に届かないという問題が発生しているのです。理由は色々ですが、その中でも大きな要素として「仮想通貨のマイナーが大量購入している」という事実があります。
実は現在、複数の仮想通貨が高騰しており、GPUを用いたマイニングが流行っているらしい。電気代を差し引いてもそれなりに利益が発生するため、こぞってGPUを買い占めてる人がいるようです。
私個人は5年ほど前に一度マイニングを試してみたことがあります。その頃はCPUマイニングを行って殆どペイ出来なかったのでやめてしまいました。
で、今回のRTX3060です。上記の通りマイナーが大量に購入して、ゲームプレイを目的とした購入層の手に届かないことを懸念して、NVIDIAが制限をかけたと発表したのでした。
私が購入した理由
私が購入した理由は「ゲーム」でも「マイニング」でもありません。
AIの深層学習に使いたかったのです。
というのも、Deep Learningのモデル作成に至るまでの学習フェーズではGPUを用いて効率化を図るのが一般的なアプローチとなっています。で、対象のGPUで最も重要なのが「VRAM」なのです。これが多いほど同時学習が可能です。
今回のRTX3060はこれまでの3Xシリーズより殆どの観点で性能が劣っているのですが、メモリだけは「12GB」とめちゃくちゃ多い。上位のRTX3070でさえ8GBであることを考えると、メモリコスパが非常に良いのです。
そうは言っても、上記の通りのGPU全体の品薄状態なので、RTX3060も約6万円する異常事態ではあります。ただ、時間はお金に買えられない(ここで買わないとAI用のGPU購入が当分先になるかもしれない)と思い購入することにしました。
で、GPUを用いたPythonでのAI学習(TensorとかKerasとか)は既に色んな人が紹介しているので、今回は「実際にRTX3060でマイニングしてみたら効率が悪かったか?」を紹介しようと思いました。
外観の紹介
当日に無事購入できたのがこちらです。
- Palit GeForce RTX 3060 StormX OC 12GB
シングルファンの一番安いモデル。安いと言っても58,000円ほどだったので、簡単に手が出せる値段ではありませんね。まぁこれから深層学習の効率がアップすることを考えたら安いものです。
高いけどね
まずは外観の紹介をしていきます。
箱の上にはしっかりと「12GB」の記載が。去年GTXの8GBモデルを見送っておいて本当によかった・・・
箱の裏面。
内箱はいかにもGPUの内箱っぽい、真っ黒です。
箱を開けてみました。写真にはありませんが、上にもしっかりとプチプチっぽいクッションがあって丁寧に梱包されています。RTX3070の時のほうがしっかりしていたけど、値段が違いますからね。
一生見ないであろうユーザーマニュアルが同梱品です。
折角なので重量を測ってみました。486gでした。最近のグラボの中では軽いほうですね。RTX3080とかは1Kg超えるので・・・
重いとPCIeモジュールに負担がかかるので、サポーターなどを装着するのが一般的ですが、これくらいの重さだったら普通に差し込むだけで大丈夫そうです。
開封してみました。1ファンしか搭載されていないモデルです。最近のグラボは3つファン搭載とかも普通なので、非常にコンパクトな印象。
裏面も簡易的な作り。バックプレートもない。
こんな簡易的な作りだったら、流石にもう少し安くしてもいいんちゃうかな・・・
PCIeに差し込む部分。
肝心のディスプレイを繋ぐインターフェース部分。私は何も刺す予定はありません。マイニング想定の人も同じですね。
電源は8pinが1本だけです。
まずは取り付けてみた
普通のGPUと同じ要領で接続していきます。
上にあるのはRTX3070。こちらは以下のVGAサポートで固定しています。
RTX3070の下に付いているPCIeに今回は装着します。ホコリが入らないように断熱テープで保護していました(黄色のテープの部分)。
刺しました。RTX3070と比較するとかなりコンパクトですね。
電源ケーブルを挿入し、いよいよ電源を投入。
今風のグラボっぽくライトアップです。無事電源が入りました。
いよいよマイニング!予想通りの結果に・・・
ざっくりマイニングしたら結果がわかると思い、一番手軽なナイスハッシュで試してみました。
DaggerHashimotoのPhoenixをETHマイニングしてみた結果です。
・・・22MH/sか。スペックを勘案すると、確かに半減しているようです。非常に効率が悪いですね。
では次にETHではないマイニングをしてみます。
Octopusが34.8MH/sです。やはりETHはマイニング制限がかかっていることが実証できた形になりました。
しかしOctopusはコアに対する負荷が高く、ワットパフォーマンスが非常に悪い。
少しチューニングしてみた結果が以下となります。
38MH/s近くなりました。ハッシュ効率自体は悪くはないのですが、この時点でワットチェッカーを見るとRTX3060だけで200W近く使用しているようです。
総合的に勘案すると、他のRTX3Xと比較してかなり悪い結果と言えるかと。
まとめ
やはりマイニング目的でRTX3060を購入するのは悪手だと思います。今後ETHを本来のパフォーマンスでマイニングできるパッチとかBIOSスワップとか出るかもしれないのですが、サポートの観点から考えても避けたほうが良いかと。
まぁマイニング目的で購入する人が減ったほうが、私みたいな本来の目的で購入する人の手元に届きやすくなるのすけどね。(AI学習目的でGPUを購入するのが本来の目的かも微妙ですが・・・)
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