以下の記事で紹介した通り、私は自宅ラボを実機で構築する事に否定的です。
実機で構築した場合、物理的な配線や機器へのコンソール接続等、CCIEのBlueprintとは関係ない箇所まで気にする必要があるからです。
さらに、勉強するトポロジによっては、毎回配線の変更等をする必要があり、非常に非効率です。「なんか想定通り疎通出来ないな・・・」等と数時間悩んで、機器間のケーブルの問題だったとかあったら目も当てられません。
以上の理由で私はGNS3等のエミュレータを使用したトポロジ構築による勉強をお勧めしています。
(勿論、IOSの取得は正規の方法を利用してください)
GNS3とは、正規に取得したIOSを利用してパソコン上でN/W機器をエミュレートできるソフトウェアです。エミュレーターなので、実機の配線を気にする必要がありません。また、IOSの再起動も非常に高速です。
GNS3は以下リンクでダウンロード出来ます。ユーザ登録は必要ですが、無料です。
でも、色々なサイトを見てみたら、最新のバージョンと旧バージョン(0.8.7)は色々差異がある事が分かると思います。
で、どちらを導入するべきか悩む人もいるかと。
結論から言うと、これからCCIEの勉強をする人は、旧バージョンではなく最新のバージョンを使用するべきです。
GNS3は現バージョン(1.3.8)と旧バージョン(0.8.7)は別物
実は、現バージョンと旧バージョンは各トポロジのプロジェクトファイルが違います。
つまり、旧バージョンで作ったトポロジのデータを新バージョンでは使用する事が出来ません。もちろんその逆も然りです。
正確には2つのバージョンのファイルをコンバートするスクリプトも有志によって存在するのですが、全て正確にコンバート出来る訳ではありません。
v5のワークブックに対応した新バージョンのGNS3ファイルが公開され始めた
これが新バージョンを推奨する一番の理由です。
私がCCIEを勉強していた時は、旧バージョンを利用する事がほぼ常識でした。海外のフォーラム等でも同様のスタンスでした。理由は、それまでは新バージョンのGNS3を利用してCCIE v5のトポロジを積極的に作る人が少なかったのです。
しかし、最近になって(本当に最近になって)、状況が変わってきました。
新バージョンのトポロジファイルを作る人が増えてきたのです。
そして、以下の知る人ぞ知るサイトでINEのv5用ワークブックのトポロジファイルが公開されてからは、旧バージョンのGNS3を利用する優位性はほとんどなくなったと言えるでしょう。
Router Gods INE GNS3 updated version 5
(何度も言うけど、IOSは必ず正規な方法で取得してください)
また、INEのフォーラムも現バージョンのGNS3についてのDiscussionが活発になってきました。今後は現バージョンのトポロジファイルがどんどん改善されていく事が予想されます。
v4のワークブックのトポロジを試したい方は、旧GNS3の使用もいいかも
ただ、一方で、v4のワークブックを試したいという奇特な人もいるでしょう。
INEのv5ワークブックは購入したらv4のワークブックもセットでついてくるんです。で、上記のGodsのページではv4のトポロジを(Volume2のFull Scale Lab 含め!)取得出来るので、コンフィグセクションの練習にはもってこいだと思います。特にINEは現時点でFull Scale Labのv5版を作成中なので、、
(何度もいいますが、それぞれのファイルは正規な方法で取得してください)
コメント
Ccie TOZAI様、毎日楽しくブログを拝見させていただいております。
知人からcisco Packettracerなるものがあることを伺いました。
GNS3の導入も考えているのですが、こちらはIOSが必要であり、
Packettracerも有益なのかな?と疑問におもいました。
上記の記事を拝見するとGNS3での情報共有がおおいので、やはりGNS3なのか?とちょっと迷っております。
もし、Packettracerについても、ご存知であればGNS3とPackettracerのどちらがCCIEの勉強に適しているかご教授いただけますでしょうか?
よろしくおねがいいたします。
Takamune様
ブログの訪問ありがとうございます!嬉しいです!
Packettracerは私がCCNA勉強の時に使った事があります。その時の情報で恐縮ですが、共有しますね。
当時のPackettracerはシミュレーションという位置づけでした。GNS3のようなエミュレータではなく。
何が言いたいかと言うと、コマンドを発行して、内部で実際のIOSがコマンドを解釈するのではなく、予め決められた結果を出力するに過ぎなかった訳です。
なので、CCIEで求められるプロトコルの仕様をデバッグで確認する・・・みたいな細かい動作確認はできませんでした。
一方、CCNA/CCNPで求められる「showの結果」とか「interfaceモードの見た目」とかはかなり丁寧に出力してくれるので、
CCNA/CCNPレベルだったらPackettracerの方が扱いやすいとも言えます。何と言っても軽いので。
Takamune様の場合はCCIEの勉強に・・との記載がある為、やはりGNS3など、実際にIOSが稼動している環境を手に入れた方が良いのでは?と思います。
(今のPackettracerで実際にIOSが動くなら、検討の余地ありかもしれません)
では、勉強頑張って下さい!応援してます!
Ccie TOZAI様、
ご連絡いただきありがとうございます。
また、わかりやすく解説していただきうれしい限りです。
現在もPackettracerはシミュレータの位置づけのようです。
やはり、GNS3で勉強するようにいたします。
ありがとうございました!